心躍る包装

高校生最後の夏の到来です。待ちに待った、夏のアルバイトの季節がやってきました。友人から紹介され、春休みにお世話になったスーパーの店長から、夏休みを来てくれるよね?というラブコールを頂いたので、行かない訳には行きません。何といっても店内の新商品の味見を、休憩室でスタッフ全員に無料で奉仕してくれる優しい店長です。ですが、夏休みは長く、甘く、未知なる誘惑が待ち構えるシーズン幕開けです。スーパーのバイトを紹介してくれた友人が、「いいのみつけてきたよ。」と、ラインを送ってくれたのが、「アイドル生写真の包装・梱包・軽作業」でした。なんとなく、心が躍りました。「包装・梱包」です。スーパーのレジでの、お客様のお買いものアイテムの袋詰めで、包装・梱包作業には、腕がなります。どんな、包装・梱包作業の壁が立ちはだかっているのか、楽しみでなりませんでした。スーパーの店長のラブコールには、店内が爆発的に混み合う、夕方からのバイト時間の希望を出し、アイドル生写真の包装・梱包・軽作業は、午前中のシフトをお願いしました。明日の「アイドル生写真の包装・梱包・軽作業」の初出勤の為に、体調は万全に整えました。もし、作業場が、倉庫内作業であるとすると、巨大な大きさの倉庫内には、エアコンなどの空調は行き渡らないはずです。暑さ対策の為に、冷やりグッズと、形態扇風機を自前で用意しました。もしくは倉庫作業ではなく、室内作業である可能性もなきにしもあらずです。冷房でキンキンに冷え切った事務所内での作業は、冷え症には堪えます。そんな、冷え性対策に備え、軽めのブランケットも用意する事にしました。友人とは、最寄駅で待ち合わせをしました。初めてのバイト先へ向かう緊張感が、友人の存在でほぐれています。「アイドル生写真の包装・梱包・軽作業」を行う現場に到着すると、そこは駅前の表通りに面したビルの1Fでした。面接シートと、親のアルバイト許可証を提示すると、荷物はここに入れて下さい。と鍵の付いたロッカーを指を差して教えてくれました。作業室には、私物の持ち込みが禁止されているようなのです。どうやら、軽作業自体は、倉庫内ではなく、ビルの一室で行われるようです。ブランケットの持ち込みを確認すると許可が出たので、一緒に持ち込む事にしました。横長の会議机に、2人1組になって作業します。アイドルの生写真の傷や汚れを確認してから、厚紙や、段ボールなどの、梱包材に丁寧に挟み込み、輪ゴムで留める作業です。厚紙や段ボールで、アイドルの生写真を挟み込む事で、商品がお客様によって購入されて、開封されるまでに、折れたり、曲がったりしないように包装作業を行います。微かに、ラジオの音がラジカセから聞こえてきますが、10数名いるアルバイトのメンバーは、皆、寡黙に作業しています。私は、この包装・梱包作業も嫌いじゃないと、初日で確信しました。充実した、包装・梱包作業をこなす、高校最後の夏休みが猛暑とともにゆったりとした時間の中、通り過ぎていきます。好きな事を仕事にするって幸せな事なのだなとB子は寝苦しい夏の夜ベッドに入り天井をみあげながらふと思いました。

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