高分子材料のガス透過度

各種ガスに対するバリア性や防湿性は、包装材料にとって非常に重要な項目です。ちなみに包装材料として使用されている高分子材料のガス透過度と透湿度の一例を挙げると、PDVCで酸素ガス透過度が1~2(立方cm/平方m・24h・atm)、水蒸気透過度が1(g/平方m・24h)となります。高分子材料のガスバリア性は、高分子の1次構造、すなわち主鎖の骨格セグメントと側鎖基の種類に大きく依存します。骨格セグメントとしては、アミド基、エステル基、フェニレン基、エーテル基などを含む高分子のガスバリア性は良好と言われています。また、側鎖基としては、水酸基、シアノ基、クロロ基などを含むものが良好です。これらは一般に剛直なセグメントや極性の高い凝集力の大きい基です。それに引き換え、フレキシブルな骨格セグメントや大きな側鎖を含む高分子のガスバリア性は悪くなります。ということは、ガスバリア性は、高分子の凝集エネルギー密度(δ) と分子の動きやすさの指標である自由体積分率(フリーボリューム;fv) とに直接関係しているからと考えられます。また、酸素透過度と凝集エネルギー密度の関係やフリーボリュームと酸素透過度の関係は、いずれも単一の直線で表すことができないことから、凝集エネルギー密度とフリーボリュームの両方の因子に関係していることを示すものと考えられます。このように、ガスバリア性は高分子の1次構造に直接関係するが、それ以外に高分子固体構造、すなわち結晶化度や分子配向度などの高分子の2次構造にも関係しているということが言えそうです。