フリーボリューム

フリーボリュームは、分子鎖の動きやすさの指標ですが、当然温度が高くなれば、その値は大きくなり、ガスバリア性は温度に大きく依存するところです。ポリビニルアルコール(PVA) やエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH) などの水酸基を含む高分子は、乾燥状態では良好なガスバリア性を示しますが、高湿状態ではガスバリア性が低下します。これは、水分子が水酸基と水素結合を形成し、高分子が可塑化され、凝集力が低下するためと考えられているからです。アミド基も水分子と水素結合を形成しやすく、同様の傾向を示しています。このように、ガスバリア性は湿度にも影響を受け、水蒸気透過度の場合、不活性ガスの透過度と高分子1次構造との関係とは、異なる傾向を示しています。良好な防湿性あるものとして、PE、PP、PVDCが挙げられます。透過度(P)は、溶解度係数(S) と拡散係数(D) の積(P=D×S) によって与えられます。PE、PPなどの水に対する溶解度係数は小さく、このためにPの値が小さくなっているものと考えられています。一方、水酸基を含むPVA、EVOH、ナイロン、セロハンなどは水に対する溶解度係数は大きく、Pの値は大きくなります。ポリブタジェン、ポリイソプレン、ポリジメチルシロキサンなどのPの値が大きいのは、自由体積分率が高く、Dの値が大きくなっているためと解釈できます。